USDT(テザー/Tether)とは?概要やおすすめのUSDT取り扱い取引所を紹介します!
目次:
まとめ
OKX
Bybit
Binance
USDTを取り扱っているおすすめの仮想通貨取引所
複数のブロックチェーンに対応したUSDTを発行している
Tether社の信用が揺らいだときUSDTの信用も毀損する
USDTを利用する上での注意点
企業が管理しているという安心感
ステーブルコインとして最初に流通した
USDTが退避資産として利用されている
仮想通貨取引においてUSDTが一番取引されている
なぜUSDTが使われているのか
USDTとはなにか?
導入
1.導入
あなたは仮想通貨取引において、最も利用されている仮想通貨を知っていますか?
それはビットコインですか?いいえ。
実は、仮想通貨取引で最も利用されているのはUSDT(Tether)という仮想通貨です。
今回は、最も利用されているUSDTについて人気の理由や利用する上での注意点、おすすめのUSDT取り扱い取引所を初心者の方でもわかりやすく解説します。
2.USDTとはなにか?
USDTとは、Tether社が発行・管理する仮想通貨Tetherのことです。
TetherのティッカーシンボルがUSDTであることからUSDTとも呼ばれています。
ティッカーシンボルとは銘柄を識別するためのコードのことです。
ビットコインならBTC、アマゾンならAMZNといった銘柄名や企業名がわかる簡単なアルファベットで表示されます。
USDTは仮想通貨の中でもステーブルコインとして設計されています。
ステーブルコインとは、取引価格が安定していることを目的とした仮想通貨のことを指します。
ビットコインやイーサリアムといった一般的な仮想通貨は、需要の増減によって取引価格が激しく変動してしまいます。
そのうち価格変動による価格の毀損を避けたがる人が増え、ビットコインやイーサリアムなどの不安定な資産が懸念されるようになりました。
いつしか、仮想通貨でありながら取引価格が変動しない安定した資産を求められるようになり、ステーブルコインとして初めて登場したのがUSDTです。
USDTは米ドルの価格に連動しており、1USDT=1米ドルの価格をほぼ維持しています。
なぜUSDTに米ドルと同じ価値がつくのかというと、Tether社はあらかじめ準備金として銀行に米ドルを預けておき、準備金と同額のUSDTを発行するようにしているからです。
そして、必要に応じてUSDTの保有者からの引き出しに応じられるようにしておくことで常に米ドルと同価値を維持できるようにしています。
こういった準備金を用意し銀行に預けておくことで価値を維持することをカレンシーボード制といいます。
3.なぜUSDTが使われているのか
次に、なぜUSDTが最も利用されているのかを見ていきます。
簡単に説明すると、使い勝手がいいからです。
とても単純ですが、それだけでは理解するのに物足りないのでもう少し詳しく説明していきます。
3-1.仮想通貨取引においてUSDTが一番取引されている
最初にも述べましたが、仮想通貨取引においてUSDTが一番取引されています。
11月3日現在のCoinMarketCapの月間取引ボリュームランキングを参照してみると、USDTが1日、7日間、30日間すべての期間で一番取引量が多いです。
30日間の取引量を見てみると、1位のUSDTが約155兆円、2位のビットコインが約100兆円、3位のイーサリアムが40兆円となっています。
USDTは仮想通貨取引において主要な価値交換通貨となる可能性があるでしょう。
また最近勢いのあるDeFi(Decentralized Finance)においても、USDTを採用するDeFiが増えてきています。
DeFiとは従来の金融サービスにブロックチェーン技術を活用したアプリケーションのことです。
例えば、仮想通貨を貸し出し金利を受け取ることができるレンディングや、仮想通貨を担保に保有していない仮想通貨を借りることができるローン、仮想通貨同士を交換できる取引所といったものがあります。
これら従来の金融サービスが非中央集権的に構築されており、国や人種に限らず誰でもサービスにアクセスすることができるのがDeFiの特徴です。
USDTのような価格が安定しており流動性の高い仮想通貨は、いつでも貸し借りができたり、不利なレートで取引しなくてもよくなったり、担保として預けておいても価値の毀損に悩まされることもなくなります。
またCoinGecko四半期レポート2020年Q1によると、DeFiアンケートで回答者の68%がUSDTを保有していると回答していました。これは回答者の中で最も人気の仮想通貨でした。
USDTはDeFi領域においてもとても使い勝手がよく重要な存在と言えるでしょう。
3-2.USDTが退避資産として利用されている
ステーブルコインとしての最大のメリットは価格が安定していることです。
相場が落ち込むことを予測していたりリスクを回避したいと考えているのであれば、仮想通貨からステーブルコインに変えることは良い選択肢と言えるでしょう。
有事のときに投資資金を退避させる資産のことを退避資産といいます。
ステーブルコインやゴールドといった資産も退避資産の一つです。
最近起こった出来事では、デリバティブ取引所BitMexのCTOが捕まったニュースや、中華系仮想通貨取引所OKExが捜査を受けているといったニュースがありましたが、このような市場にネガティブであると捉えられるニュースは相場を落ち込ませてしまいます。
特定の仮想通貨に直接関係なくとも仮想通貨の価格に影響してしまうのが仮想通貨相場なのです。
3-3.ステーブルコインとして最初に流通した
USDTが最初に発行されたのは、2015年2月ですが、実はUSDTが登場する前にも、米ドルと価格が連動しているといったコンセプトの仮想通貨はいくつか存在していました。
ですが、それらの仮想通貨は価値を維持することができなかったり、規制環境が厳しくなりプロジェクトを撤退せざるを得なくなったりと普及するまでには至りませんでした。
そこで登場したのが従来のカレンシーボード制を採用したUSDTです。
USDTは顧客の信頼を着実に得ながら、時価総額ランキングでも現在3位に位置しています。
CoinGeckoの4半期レポート2020年Q1を参照してみると、ステーブルコインにおいてUSDTのシェア率は84.4%と大きな市場規模を誇っています。
3-4.企業が管理しているという安心感
人によっては企業が管理していることで安心感を覚える方もいるでしょう。
例えばハッキング事件を見るとそのメリットが見て取れます。
20年9月末に起こった、仮想通貨取引所KuCoinがハッキングを受けた事件では、ハッキングによって盗まれた資金の一部にUSDTが含まれていました。
それを受けて、Tether社のCTOであるPaolo Ardoino氏はイーサリアム上で発行された2000万USDT(21億円相当)を凍結すると発表しています。[1]
凍結されたUSDTは送受信、またUSDTを米ドルに現金化することができなくなりました。
アドレスからUSDTを移動することができなくなるので文字通り凍結したことになります。
ハッキング事件で盗まれた仮想通貨がビットコインやイーサリアムであればそのまま盗られたままになっていたでしょう。
ですが、USDTといった管理主体が存在する仮想通貨であればハッカーに盗まれたとしても資金を渡らせるのを防ぐことができます。
4.USDTを利用する上での注意点
いくらUSDTが便利と言っても気をつけなければいけないことはあります。
次に、USDTを利用する上での注意点を見ていきます。
4-1.Tether社の信用が揺らいだときUSDTの信用も毀損する
USDTに価値があるのは、USDTの運営会社であるTether社が銀行に米ドルを準備しており、TetherがいつでもUSDTを米ドルとの交換に応じるからであるということは先ほど述べました。
これはTether社が顧客に対していつでもUSDTを現金化しますよという信頼によって成立しています。
ですが、Tether社が顧客の信頼を裏切った場合。
つまり、USDTから米ドルへの現金化ができなかった場合は、USDTの価値は毀損されるでしょう。
またテザーには懸念されている点があります。
2020年11月現在、USDTの時価総額は168億ドル(約1兆7000億円)となっていますが、19年4月Tetherの顧問弁護士が、Tetherの準備金は100%カバーされていないことを認めています。
Tether顧問弁護士のZoe Phillips氏の報告書によると、Tetherの裏付け資産となる準備金は現金および現金同等物でUSDT発行分の約74%カバーされていると述べました。
この74%を多いと見るか少ないと見るかは個人の判断になります。
現状、USDTの価格は維持されていることから市場はあまり問題視されていないようです。
さらに20年7月にはTether社は顧客資産8億ドル(約850億円)を消失したことも話題になりました。
このようにTether社には不審な点がいくつか見られることからUSDTを利用するには注意しておく必要があります。
4-2.複数のブロックチェーンに対応したUSDTを発行している
これは注意点でもありメリットでもあるのですが、USDTは複数のブロックチェーンで発行されてます。
現在の主流としてはイーサリアムブロックチェーンがありますが、他にもトロンやOmniといったブロックチェーンにもUSDTは発行されています。
複数のブロックチェーンに対応しているということは、どのプラットフォームを利用したいかで保有すべきUSDTが変わるということです。
例えばイーサリアムベースのDeFiを利用したいという場合、イーサリアムブロックチェーンに対応しているUSDTでなければ使用できません。
では、どうすればいいのかというと仮想通貨取引所からUSDTを出金するときにどのブロックチェーンに対応したUSDTを引き出したいか決めればよいのです。
例えばイーサリアムブロックチェーンを利用するのであればERC20のUSDTを、トロンブロックチェーンを利用したいのであればTRC20のUSDTを引き出します。
自分の目的にあったUSDTを利用するようにしましょう。
5.USDTを取り扱っているおすすめの仮想通貨取引所
次にUSDTを取り扱っている仮想通貨取引所を紹介します。
現在USDTを手に入れるためには、国内ではなく海外取引所を利用するしか方法はありませんので注意してください。
5-1.Binance
Binanceは現物取引、デリバティブ取引ともにトップの出来高を誇る世界一の仮想通貨取引所です。
Binanceは仮想通貨取引以外にも、デリバティブやレンディング、ステーキングといった仮想通貨に関して幅広く取り扱っている取引所です。
海外の仮想通貨取引所でどこか口座開設しようと考えているならとりあえずBinanceを開設しておきましょう。
Binanceの登録方法
①Binanceの公式サイトにアクセスし、右上の「登録」を押します。
②メールアドレスとパスワードを入力し、登録したメールアドレスに認証コードが送られてきます。
③送られてきたメールに記載されている6桁の数字を入力します。
④これでBinanceの登録は完了です。
Binanceの入金方法
①右上にある「ウォレット」の「フィアットと現物」を押します。
②右上にある「入金」を押します。
③自分の保有している仮想通貨を選択し、表示されたアドレスに送金します。
④着金したら完了です。
Binanceの出金方法
①右上にある「ウォレット」の「フィアットと現物」を押します。
②右上にある「出金」を押します。
③自分が出金したい仮想通貨を選択し、アドレスとトランスファーネットワークと出金額を設定し、「提出」を押します。
④出金完了です。
5-2.Bybit
Bybitは仮想通貨デリバティブを取り扱っている仮想通貨取引所です。
BybitではUSDTを証拠金として使うUSDT無期限契約と、BTCやETHといった仮想通貨を証拠金に使うインバース無期限契約という2つのデリバティブ取引ができます。
Bybitは比較的新しいデリバティブ取引所ですが、最近取引量も大きくなってきており利用者も増えている人気の取引所です。
Coingeckoによると、2020年11月現在でデリバティブ取引所の中でも5位の取引量を誇っています。
Bybitの登録方法
①公式サイトへアクセスし、メールアドレスとパスワードを入力します。
②登録したメールアドレスに6桁数字の認証コードが送られてくるので、それを入力します。
③これでBybitへの登録は完了します。
Bybitの入金方法
①右上にある自分が登録したメールアドレスから「個人資産」を押します。
②自分が入金したい仮想通貨の右にある「入金」を押します。
③表示されたアドレスへ送金します。
④着金したら完了です。
Bybitの出金方法
①右上にある自分が登録したメールアドレスから「個人資産」を押します。
②自分が出金したい仮想通貨の右にある「出金」を押します。
③出金する際に送りたいアドレスと出金額を入力します。
④セキュリティ認証とメールアドレス認証を行います。
⑤出金完了です。
5-3.OKX
OKXは中国に拠点を置く仮想通貨取引所です。
OKXはもともとアルトコイン取引所でしたが、最近ではデリバティブ取引、オプション取引、レンディング、ローンといった幅広いサービスを取り扱っています。
OKXの登録方法
①公式サイトへアクセスし、右上にある「Sign up」を押します。
②メールアドレスとパスワードを入力し、「Sing up」を押します。
③登録したメールアドレスに認証コードが送られてくるので、認証コードを入力します。
④これでOKXの登録は完了です。
OKExの入金方法
①右上にある「Asset」の「Deposit」を押します
②自分が入金したい仮想通貨を選択し、「Continue」を押します。
③表示されたアドレスへ送金します。
④着金したら完了です。
OKXの出金方法
①右上にある「Asset」の「Withedraw」を押します。
②出金したい仮想通貨を選択し、「Continue」を押します。
③Recipient PlatformをOKEx、送金したいアドレスと出金額を入力し、「Continue」を押します。
④出金が完了します。
6.まとめ
USDTはとても使い勝手の良い仮想通貨ではあります。
ほとんどの仮想通貨取引所で利用することができますし、DeFiにおいてもUSDTには高い利率が設定されており十分に旨味があります。
ですが、USDTには常に信用リスクがつきまとっていることは留意しておかなければいけません。
現状ではそれほど問題視されていませんが、いつUSDTの価値が暴落するかわかりませんので利用しないことも一つの選択肢でしょう。
自分の資産を守ることも仮想通貨投資においてはとても重要なことです。